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2014
![]() ![]() ![]() 「好きなことだったら100年だって続けられる」 日本初の女性報道写真家・笹本恒子さんが教えてくれるコト。 「六軒村エンロケン」の吉田里留さんから見た笹本恒子さん 福住に「六軒村エンロケン」という建物があるのを知っていますか? ここは100歳にして現役の報道写真家である笹本恒子さんの作品と人柄をたっぷり感じることのできる場所。オーナーの吉田里留(よしださとる)さんは、笹本さんとは10年以上のお付き合い。親しく交流を重ねるなかで、「笹本さんは、非常に美しい言葉を話す人」と吉田さんは言います。笹本さんのお人柄の片鱗を知りたくて、「エンロケンができるまで&できてから」の笹本さんと吉田さんとの関わりについて、お話をうかがいました。 ●会ったその日に、マッカーサー夫人の写真を見せてもらった。 アーティストのマネジメントの仕事をしていた10年ほど前、人の紹介で初めて笹本さんに会いました。初対面の場所は、当時笹本さんの作品を保管していた東京の倉庫。そこが閉鎖されるというので、新たな保管場所を探していたんですね。笹本さんがおもむろに出した写真にはマッカーサー夫人が写っていて、マッカーサーの説明を聞いて、これは大変な人だと思った。その後、まずは北海道で展示会を開催し、写真を引き上げる計画をたてまして、2003年に帯広の藤丸デパートで写真展をやっていただけることとなりました。笹本さんにも来ていただいて、クリスマスが近かったので宣伝のためサンタクロースの格好をしてもらい、店内を練り歩きました。その時で90歳くらいだったのかな、可愛いんだ(笑)。その写真展が終わったあと、作品をどこに返しましょうかということになったので、ひとまず札幌のこの建物に保管することにしました。ここは両親が札幌大学の学生寮をやっていた建物で、空き家になってから7〜8年経ってぼろぼろだったんです。その時は東京に戻すつもりでしたが、「戻す場所が決まるまで、当分ここに保管していただける?」と言われて預かった。その「当分」が、今じゃ11年です(笑)。 ●「ギャラリーがあったら嬉しいわ」「じゃあ、俺が作るかい?」 その後、笹本さんとは何度も会う機会がありました。「笹本さんの夢は何?」って聞くと、「ギャラリーがあったら嬉しいわ」と言う。でも、それは俺がやることではないと思っていた。俺は5年くらい前に親の畑を継いで農家になったのだけど、あるとき山の畑に笹本さんと一緒に行くと「ここにギャラリーがあったらいいな」と言うんです。「ここはクマが出るよ」「あら怖い。じゃあ無理よね」と、その時は笑って終わりました。そのあと、この建物に来たら「ここの建物の一部屋でいいから、ギャラリーにして」と言う。じゃあ、好きな女性のために俺が作ろうと…。いろいろ迷う要素はあったけれど、笹本さんの夢を叶えることが何より大事だとその時は思ったんです。そして、この建物を改装することにしました。知り合いに話をしたら、助けてくれる人がどんどん出てきた。約1年半かけて、70人くらいの人の協力があって完成しました。かかった費用はほぼ実費のみ。笹本さんに何度か北海道で講演会をやっていただいてペンキ代を稼ぎました(笑)。お披露目は、たまたまテレビ番組の「ソロモン流」。番組収録のタイミングに合わせて、ギリギリで間に合わせました。 ●「屋根の上でペンキを塗ってるよ」「それはいいことよ」 あるとき、エンロケンの屋根の上でペンキを塗っていたら、笹本さんから電話が来た。「今どこにいるの?」「屋根の上さ」「あら、気をつけてね。でもいいことよ」とおっしゃる。笹本さんは、本当の苦労人。「写真で食べられない時代は洋裁学校で学んで、洋裁を教えて食いつないだのよ。芸は身を助くと言うでしょ」と。笹本さんは20代から写真を始めたけれど、その後戦争があったり、結婚をしたりで一時中断。写真を本格的に再開したのは70歳になってからでした。「何か始めるのに年齢は関係ない」「年齢を言い訳にしない」「好奇心を捨てないこと」ともよく言います。笹本さんとの会話には書き留めたくなる言葉がたくさんあるんです。それを「今日の一句だね〜」と言って、俺が書き留めています。笹本さんは日本の宝。俺が笹本さんから聞く言葉はみんなのものだと思った。100年生きた方の言葉は歴史を持っている。俺ができるのは、その言葉を自分の手で書き残すこと。それが、廊下に展示してある言葉です。 ここの建物の名前をどうしよう?と考えていたとき、笹本さんが俺との関係を人に説明するときによく「縁よ。」と言っていたのを思い出しました。それで「縁」という言葉は使いたいと思ったんです。この地域は六軒村というので、じゃあ縁を繋ぐ六軒村、ということでフランス語っぽく「エンロケン」に決めました。いろんな縁が、今もつながっていっています。 ![]() ![]() ![]() 吉田さんはよく「理屈じゃない。やるか、やらないか。それだけ」と言います。ギャラリーも「ギャラリーがあったらいいのにねって言ってくれる人はいたけれど、つくったのはあなただけよ」と笹本さんに言われたそう。 展示販売している言葉の数々についても、吉田さんの深い思いがあります。ギャラリーに展示されている、吉田さんの書による笹本さんの言葉の数々、見る人によって一番心が求めるものは異なるでしょうし、また見るタイミングによっても目に留まる言葉は変わるでしょう。足を運ぶたびに気持ちに響くものを発見できるエンロケンは、自分自身の中にある「縁」を見つける場所なのかもしれません。 ■六軒村エンロケン 笹本恒子常設写真ギャラリー、押し花作家たけだりょうギャラリーのほか、 のうかカフェ、ショップ、エンロケンマルシェなどが共存。 吉田さんやたけださんとの会話も楽しいです! 住所/札幌市豊平区福住1条8丁目3-5 開館/金土日10:00〜17:00(不定休/要問い合わせ) 駐車場有り http://ameblo.jp/enrocken http://ameblo.jp/sasamotogallery/ ■フリーライター 古川奈央(nao0226@estate.ocn.ne.jp) 吉田さんに初めてお会いしたのは、1カ月前の8月末。その翌週には、Filの取材を依頼していました。人とのご縁というのは、つながるときは一気に縮まるものなんだなあ…ということを実感します。縁を育むエンロケンだからこそ、かもしれません。吉田さんが大事にしている言葉は「出会いは宝 チャンスはつかむ 幸せは感じる」、そして「親しき仲こそ礼儀あり」。笹本さんとの関係も、お話を聞けば聞くほど、親しくなったからこそ尊重していることが、よくわかります。 吉田さんと、同じくエンロケンでギャラリーを持っている押し花作家のたけだりょうさんが主催した笹本恒子さんトークセッションが、10月4日に開催されます。必見です。ちなみにたけださんの作品も本当に素晴らしいので、エンロケンに行くときはぜひ併せてご覧下さいね。 (詳しくはEventをご覧下さい) ![]() ![]() ■笹本恒子写真ギャラリー開設3周年記念特別企画 日本初女性報道写真家 笹本恒子 『私たちに伝えて欲しい しなやかな生き方』 今年100歳になる笹本恒子さんの貴重なお話を聞ける講演会です! 戦前から日本初女性報道写真家として活躍し、 様々な人々をファインダーから見つめてきました。 そして今もなお、撮影や執筆などアクティブに活動を続けています。 100歳とは思えない、彼女の生きる活力はどこから生まれてくるのでしょう? 私たちが、今、現代を生き抜くヒントがそこにはありそうです。 ぜひこの機会にご参加ください。 ●日時/2014.10.4(sat)open 18:30 / start 19:00 ●ticket/当日3,000円、前売り2,500円(全席自由・中学生以上) ●申込方法 お名前、ご住所、ご連絡先(電話・FAX)、枚数を明記の上、下記までお申し込み ※六軒村エンロケン 笹本恒子トークセッション事務局 電話/090-2873-9300/FAX 011-855-2804/メール enroken63@softbank.ne.jp ※お支払は口座振込のみとなります。 【銀行振込】北洋銀行 月寒中央支店(普通)3979314 【郵便振込】19080-8024321 (株)ベイスカンパニー(笹本恒子トークセッション事務局) ●会場/共済ホール(札幌市中央区北4条西1丁目 共済ビル6F) ●出演/笹本恒子さん、松永俊之さん(フリーアナウンサー)、明楽みゆきさん(チェンバロ奏者) ![]() ★時代に左右されない…ある意味、時代を完全に無視した素敵な「喫茶店と本」「レコード」「スナックと唄」を毎月ご紹介していきます。
![]() ●FORTUNA (フォルトゥーナ) レディースインポートブティック。パリ、イタリア直輸入のスタイルを提案。本場のエスプリを札幌に… http://fortuna.frenchkiss.jp/ ●アトリエJD PARIS/ヘアサロン パリでの技術を札幌で。パリトップヘアーデザイナーのスタイルを継承した大人のサロン 。 http://atelierjdparis.com ● grasp (グラスプ)レディースインポートブティック。ヨーロッパ&国内ブランドをミックスしたセレクトショップ。 http://www.grasp.cc/ ● VERGUNDI (バーガンディ) パーティースタイルをトータルコーディネイトする、お洒落なレンタルブティック。 http://www.vergundi.com ● Aim (エイム) 世界からやって来たビーズが 表情豊かに人を彩るビーズ専門店。アクセサリーのお直しやオーダーも可能。 http://www.ai-m.jp ●Takechas Records (タケチャス・レコーズ)札幌の小さな音楽ソーホーから発信するレコード・CD/DVDなどを中心とした お洒落なWEBショップ。 http://www.takechas.com ●SNOW RAINBOW (カフェ・スノーレインボー)癒しの家具に囲まれた、焼きたてワッフルと美味しい珈琲。 http://www.dandc.jp/home/info ●ouchi (カレー&ごはんカフェ・おうち) 女性一人でも気軽に入れる、お酒とスープカレーのカフェ。美味しいランチもおすすめ! http://www.mamma-cr.com/ouchi/ ●スナック 糸 (スナックいと)時代はスナック!昭和meetsバブルノスタルジー 。姉妹店「ザンギBar 衣(ころも)」もOPEN。 http://twitter.com/snack_ito ●伝統漢方からさわ薬局 困ったらここへ…心の痛みと腰痛に強い、漢方相談薬局 。 http://www.kanpo-karasawa.com ●D&C (ディーアンドシー) 女性ならではの感性を生かした、優しくやわらかい店舗デザイン。 http://www.dandc.jp/home/info ● Ca et la (サエラ) すべての女性の美肌とリラクゼーションに 。家庭的な癒しサロン。 http://www.saera-e.com/ ●Plumeria Garden (プルメリア・ガーデン)隠れ家的な癒しのサロンで、疲れたカラダにご褒美を。オイルマッサージがおすすめ。 http://ameblo.jp/plumeria--garden/ ●Powder (パウダー)もっときれいになる、プライベート・メイクレッスン。濃くないのに確実に美しく…! http://www.powder.jp/ ● AI KOMORI (アイ・コモリ)大人女子の個性派ウエディングリング 。モードな雰囲気がお洒落です。 http://www.aikomori.com ●kreis (クライス)とっておきのふたりに…ウェディングリングの専門店。 http://www.kreis-w.co.jp ●SILKS (シルクス)上質なペーパーアイテムで、大人婚の演出をお手伝い 。 Webは只今、工事中です。 ●北海道アルバイト情報社 北海道の元気に向かう様々な活動を積極的に応援する情報社。 http://www.haj.co.jp/ ●MIDORIUM DESIGN(デザイン)シンプルで素敵なデザイン、HP製作など素敵です。 http://www.midorium.com/ ![]() ●FIL Backnumber(2009年〜2010年)/http://www.fil-sapporo.com/fil 2011.3 2011.4 2011.5 2011.6 2011.7 2011.8 2011.9 2011.10 2011.11 2011.12 2012.1 2012.2 2012.3 2012.4 2012.5 2012.6 2012.7 2012.8 2012.9 2012.10 2012.11 2012.12 2013.01 2013.02 2013.03 2013.04 2013.05 2013.06 2013.07 2013.08 2013.09 2013.10 2013.11 2013.12 2014.01 2014.02 2014.03 2014.04 2014.05 2014.06 2014.07 2014.08 |
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