03. 2016







「誰かのあとで少し見える」 画家・Okoimatsuインタビュー

「文房具屋のペン売り場にある "試し書きの線 " は、誰に見せるためでもなく油断していて、意外と達筆で又はいい加減で、スピード感があったりモタモタしたり、他人の線の上に書いたり又は避けたり…人々の意識的、無意識的なムーブメント、動き、交錯に似ているようにも見えるし、何か生活している様が滲んでいるようにも感じる」と言う札幌在住の画家・Okoimatsuさん。彼女の作品は、文房具屋のペン売り場にある "試し書きの線" を忠実に再現し、その線のみを使い再構築して作るロンドン・東京・札幌・ホーチミンの街の風景。その作品は不思議な魅力に溢れています。
今回FILは、SYMBIOSISにて開催中の展覧会「誰かのあとで少し見える」の作者、Okoimatsuさんをインタビュー!




★Okoimatsuさんの簡単なプロフィールをお願いします。

★Okoimatsu  長野県生まれ。幼い時に両親と共に東京へ移住。育ちは東京です。小さな頃から絵が好きで、美術大学へ進学。卒業後すぐにイギリスの美術大学に留学し2年間の修士課程コースに通い、卒業後もロンドンに留まりアトリエで制作しながら活動していたので、ロンドンには足掛け7年住んでいました。今から4年前に帰国し札幌に移住。現在札幌を拠点に制作、活動しています。


★只今SYMBIOSISで開催中の展覧会「誰かのあとで少し見える」は、 どういった展覧会なのでしょう?

★Okoimatsu  最新シリーズ「誰かのあとで少し見える」は、文房具店のペン売り場にある試し書きの紙をコレクションするところから始まります。その試し書きの線を油彩で模写したり、カーボン紙で転写したりしながら、一枚の画面の中に重ねながら配置して、そこに街の風景や何かが見えてくるような、こないような、という実験的な絵のシリーズです。一つの作品に対して一つの都市に限定し、その街で集めた試し書きの線達がよってたかって、その街の潜在的な横顔を描き出す、というのがコンセプトです。私が自分の意思で描いた線はなく全て模写や転写なので、徹底的に私自身を消しているとも言え、どこかにいる匿名の誰か達、に無理矢理(笑)コラボレーションをお願いしました。その最新シリーズに以前の写真コラージュシリーズを足した、札幌で初の個展です。



   
写真:左「はしの街、もしくは東京」 写真:右(部分)「超じゆう戯画、もしくは札幌」



★その文房具店の「試し書きの紙」は毎回どうやって手に入れるのですか? そしてその色や形はどのように再現するのでしょう?

★Okoimatsu  ロンドン時代に集め始めたのですが、勝手に持って来たり(笑)、時には店員さんに頼んで集めておいてもらうという事もありました。都市にもよりますが、現在のコレクションの量は、例えば東京は200枚くらい、ロンドンは150枚くらい、札幌は細長い巻物状なので枚数で比べられないですが、大体100枚分くらいでしょうか。その色や形は、白黒のドローイングであれば、カーボン紙を間に敷いて上からそれぞれの線をなぞって転写しています。油彩の作品ではマーカーなどの色味も、重なりなどの濃淡も、油絵の具で再現します。ペンはペンらしく、マジックはマジックらしく、見えるように。


★無意識に試し書きする時の、無防備な線や言葉に感じることは何でしょう?

★Okoimatsu  私にとって、試し書きの紙の上には、その街に生きている人々の動きの痕跡や、スピード感や、交錯、共鳴、などが見えてくるように思います。見せると思って書いていない、油断した線だからこそ、意識と無意識の狭間が見え隠れするように思います。大胆になったり豪快になったり、人によっては遠慮がちに描いたり、人の線を避けたり上からお構いなしに描いたり…。中には告白のようなプライベートな秘密の暴露をしている人もいて、(そのような言葉は、さすがに作品に使いませんが。笑)線にしても、言葉にしても、誰にも見せない吐露を垣間みているような気にもなり、集め始めた頃はうしろめたいような、ドキドキ感もありました。



   
写真:左より、ロンドン、東京、ホーチミンの「試し書きの線」の原画。その街らしさが出て楽しい。



★Okoimatsuさんは「試し書きの紙」にある文字と絵や抽象的な線をコラージュして、ロンドンなどの街の風景を作られていますが、行った事のないベトナムも何故かホーチミンの喧噪が再現されていてすごく驚きました…!こういった事は良く起るのですか?

★Okoimatsu  その話を聞いた時は、私の方こそ鳥肌が立つ程びっくりしました(笑)。ドローイング作品の重なり合った線の中に、見る人の記憶にある、もしくはイメージの中にあるその街の風景を、ある程度は見いだしてくれるだろうな、とは思っていましたが、そこまで一致するのは、もう偶然とは思えない(笑)。まさに通りすがりの人々の潜在意識の線から、私が街の力学のようなものを感じ取ったのか、線そのものの力なのか、分からないですが感動的でした。こういった現象はまれだと思います。


 
写真:左「比類なき夜が動く、もしくはホーチミン」写真:右「この色じゃない」



★Okoimatsuさんのように生活のなにげないところから、発想していくことはとても楽しいことだと作品を見て感じました。「試し書きの紙」のように、Oikomatsuさんが制作したくなる題材は他にもありますか?

★Okoimatsu  少し前に制作していたシリーズは、工事現場をモチーフにしていました。ロンドンのダブルデッカーバスの2階席に乗って外を眺めるのが好きだったのですが、ルート上に工事現場があると丁度高さ的に覗けるんですね。土が露になっていて土管や鉄筋がバラバラに置いてあって…。毎日同じ現場を覗くと、少し穴が深くなったり、柱が立ったり、雨が降って水たまりが出来ていたり、少しずつ変化していく。動いていく街の余白、のような存在である工事現場に惹き付けられ、現場を写真に撮り、コラージュ作品にしていました。 その他にも、採石場や電線などにも興味があります。また、札幌は雪が降ると街景が一変するので、その風景にも圧倒されて、何か作品にしていきたいな、と思っています。


★今後、作品を通して表現したいや、やってみたいことはありますか?

★Okoimatsu  やはり、人に楽しんでもらえる作品を作り続けたいですね。誰でも知っているものを使っているけれど、誰も見たことのない風景、というか。。。雪を使って、ランドアートのような、季節の変化とコラボレーションするのも楽しいと思います。




写真:左「Scaffoldings in the flood」写真:右「A transition after the rain」ロンドンの工事現場の写真コラージュ。



◆開催中!Okoimatsu 個展「誰かのあとで少し見える」
会期:2016年3月17日〜3月30日
会場:space SYMBIOSIS (札幌市中央区南2西4 SYMBIOSISビル1F)
電話:011-210-0199 OPEN:12:00〜19:30 会期中無休



●Okoimatsu HP http://www.okoimatsu.com/



●FIL Backnumber(2009年〜2010年)/http://www.fil-sapporo.com/fil
2011.03 2011.04 2011.05 2011.06 2011.07 2011.08 2011.09 2011.10 2011.11 2011.12 2012.01 2012.02 2012.03
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2013.05 2013.06 2013.07 2013.08 2013.09 2013.10 2013.11 2013.12 2014.01 2014.02 2014.03 2014.04 2014.05 2014.06 2014.07 2014.08 2014.09 2014.10 2014.11 2014.12 2015.01 2015.02 2015.03 2015.04 2015.05 2015.06 2015.07 2015.08 2015.09 2015.10 2015.11 2015.12 2016.01 2016.02









★時代に左右されない…ある意味、時代を完全に無視した素敵な「喫茶店と本」「レコード」「スナックと唄」を毎月ご紹介していきます。



Cafe & Book

★第二十三回 喫茶店と本 / 兼田広樹
「カフェクラブ ロスマリン」と
「かなわない」

カフェクラブロスマリンが
今月末をもって閉店します

1973年創業・札幌駅直結の名店

壁に飾られたオードリー・ヘプバーンと
ヴィヴィアン・リーにグレース・ケリー

甲斐甲斐しく働くスタッフの皆さん
それを見守る優しく上品なママさん

美しい女性たちのお店でした

今月でお別れです

あのカウンターもあのテーブルもチェアーも
あのステンドグラスライトもあのカーテンも
あのコーヒーあのモーニングあのトーストも
上白糖とパルスィートとブラウンシュガーも

今月でお別れです

最後にママさんと話ができました

突然のことでごめんなさいねと
私に深々とお辞儀をされました

ありがとうございました
負けじと頭を下げました

ところでママさん

アントニオ猪木は38年間の現役生活で
最後の四年を引退興行に費やしました

ロスマリンもその長い歴史の幕引きに
長々と閉店セールをしてはくれまいか

とは口が裂けても言えませんでした

後悔先に立たずですね
もっと通えばよかった

重い十字架を背負って
毎日を生きていきます

今月の一冊は「かなわない」

そういう気持ちなのです



■カフェクラブ ロスマリン
札幌市中央区北3条西3丁目ヒューリック札幌ビルB1F

■かなわない
植本一子(タバブックス)


●プロフィール
兼田広樹(SILKS代表)
ブランディングの仕事をしています





Record


★vol'23 タケチャスのチャス・エンターティメント
/ 井上武志

〜春っぽいワンピにこの笑顔を見ているだけで幸せ気分全開〜
「 Agneta Munther / Tva Sidor / LP」

東京辺りではもう既に桜の開花宣言が出されたりする中、
こちとらポロサツもようやく雪が溶け…

アレ?
まっ…また雪?!
まだ雪?!

今更感満載、ちょっとは空気読めよ!感満載の中、
そんな我らの気持ちなどお構い無しに
雪がドカっと降ったりっていうのもありますけれど
ここは、日本気象協会バリに僕が宣言しましょう。

いいかげん、もう…春でしょう。
うん、春とします!(キッパリ)!
そんな春といえば…

お店にいらっしゃる方々も、
出産や引っ越し、就職に転勤などで入れ替わるケースも出てきて、
見送るこちらは中々のセンチ具合になったりもしますけれど。

「遠くなっても通います! 」とか、
「今度は WEB でお世話になります! 」などと仰っていただけると、
言った相手がドン引きするほどあたし
「感動」で打ち震えたりします。…ありがたいです。

でも実際は「本音を言わない」ごまかしの天才。
くだらない話にいつの間にかシフトさせて
イイ空気を台無しにしたりするんですけれどね。
なんか…毎度ごめんなさい。

レコードブームの中、
レコード屋さんの諸先輩達がそれぞれの事情で
いなくなったりとかって個人的にも悲しいニュースが あったりもしますけれど、春は別れも多いけれど、新たな出会いや再会も多いはず。

僕らが変わらずこの場所でレコード屋さんを必死でやっているならば
彼、彼女らが変わらず音楽が好きでレコードを好きでいてくれたなら
またきっとどこかで会えるでしょう。

何かが始まる季節ですもの、
センチになってばかりじゃーしょうもない。
引っ込み思案はポケットに突っ込んで。
向こう見ずになってがんばろう!
…俺!

***

今回は60年代に10代でデビューの後、
ブラジリアン風味のヴォーカル・グループに参加しブレイクした
女性シンガーのブラジル〜ボッサテイストを交えた人気作をばご紹介!

■ Agneta Munther / Tva Sidor / LP

ブラジリアン・テイストのポップ・チューン
「Du Gor Att Livet Svanger」が兎にも角にもグッと来るわ、
踊りだしたくなるわの素晴らしさ。

スウェーデンのポップ・グループ、FAMILY FOURのヴォーカリスト、
AGNETA MUNTHERの75年のソロ作は、前述曲をハイライトに、
”UK の一人ビーチボーイズ ”ことおなじみ「クリス・レインボウ」の
ちょっと泣いちゃうくらいの名曲「Tarzana Resesa」カヴァーや、
フレンチ人気シンガーソングライター「ミシェル・フーガン」のカ
ヴァー曲なども収録と終始ソフトで軽やかな好内容盤です。

お店に並べておきますので遊びに来てみて下さいね〜!

春を想起させるジャケ共々素晴らしい!ってことで
チャス、三つ ( C:マチャアキ風で ) !



●プロフィール:Takechas Records / 店主 ・タケチャス
プロフィール:Takechas Records / マキチャス 「 ジャンルレスでグッドミュージック 」 をモットーに、小さな音楽ソーホーから世界へ 日々発信するレコード・CDのセレクトショップ 「タケチャス・レコー 」 。" 顔の見え るネット・ショップ " から" 週末会えるレコード屋 " へ。WEBサイトに加えて隠れ家サロンなレコード・ショップとして、 2014年実店舗もOPENさせた音のコンシェルジュ、かかりつけのレコード屋さんの名物店主は、自身のキャラクター・グッズも好評で至極ご満悦のご様子。 http://www.takechas.com



   
    戸川昌子さん?いえ、ママですYO!
スナックと唄

〜スナック糸 モリ夫ママの〜
★第23回 垂乳根の母を背おいて、
そのあまり軽きに泣きて3曲カラオケ
「神がわたしを動かす時」の巻



みなさん、SNSやってる〜?
私はツイッターとインスタグラムだけやっております。

しかし、凄いもんで一人の発した一言が
物議をかもす時代になっておりますが、
恐ろしい事もいっぱいありますな。

ここからはわたくしのお話ですが、
去年、某バンドのライブを観に行き、
そのバンドさんというのも友達だもんで
一緒に写真を撮りそしてライブハウスの表に貼ってあった
セットリストの写真を撮りツイッターに載せたところ、
一人の方からすんごい怒りコメントをいただきました。
まぁ、セットリストを載せるなって事だったのですが。

私もシステムを良くわからなかったので
「ご忠告ありがとうございます」と、大人な対応をし、それを削除。
のち知ったのがそれは載せても大丈夫なやつだったらしいです。
なぜなら表に貼って公表してるやつだから。

そうだよね。
毎度、ライブ後の曲順はSNS内で見てるし
それを知りたくないならSNS見るなっつう話しだし。
(たぶん楽屋でバンドさんと写真撮ってたから
楽屋に貼ってあったセトリを載せたのと勘違いしたのだと思う)

で、最近、遠藤ミチロウの監督、主演ドキュメント映画
「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」
を観たのですが、これがまぁ素晴らしくて!

その後、朝7時まで飲んでて、寝て起きたはいいけど
まだ酔っ払っててそのままのテンションで
その映画の事載せたさね「ミチロウがより好きなる映画でした。」と。

二度寝して携帯見たらご本人にリツイートされてて嬉しくて
ベッドの中でひとり「シェャャァ〜〜!」と謎の雄叫びあげたけど、
冷静になって見て見たら「なんで呼び捨てにしちゃってたんだろう」
と思ったけど、なんかわかる。

そして、もし非難のコメント来たらこう返す。

「私にとってミチロウは神だからな。
キリスト様とかブッタさんとか言わないように
私の中でミチロウはミチロウなんだ!!」と!(かっこいいな)。

映画を見た後、自分の店に行き
カラオケで「包丁とマンジュウ」を大熱唱したんだけど、
「ロマンチスト」が入っていないクソ選曲カラオケのため
明日、カラオケ屋さんとちょっと機種変えるか
相談することになりました。

神が私を動かす力は凄い。



●プロフィール
札幌育ち。
スナックのママ。
姉妹店「ザンギBar 衣(ころも)」もオープン。







●FORTUNA (フォルトゥーナ) レディースインポートブティック。パリ、イタリア直輸入のスタイルを提案。本場のエスプリを札幌に…
http://fortuna.frenchkiss.jp/

●アトリエJD PARIS/ヘアサロン パリでの技術を札幌で。パリトップヘアーデザイナーのスタイルを継承した大人のサロン 。
http://atelierjdparis.com

● grasp (グラスプ)レディースインポートブティック。ヨーロッパ&国内ブランドをミックスしたセレクトショップ。
http://www.grasp.cc/

● VERGUNDI (バーガンディ) パーティースタイルをトータルコーディネイトする、お洒落なレンタルブティック。
http://www.vergundi.com

● Aim (エイム) 世界からやって来たビーズが 表情豊かに人を彩るビーズ専門店。アクセサリーのお直しやオーダーも可能。
http://www.ai-m.jp

●Takechas Records (タケチャス・レコーズ)札幌の小さな音楽ソーホーから発信するレコード・CD/DVDなどを中心とした お洒落なWEBショップ。
http://www.takechas.com

●ouchi (カレー&ごはんカフェ・おうち) 女性一人でも気軽に入れる、お酒とスープカレーのカフェ。美味しいランチもおすすめ!
http://www.mamma-cr.com/ouchi/

●スナック 糸 (スナックいと)時代はスナック!昭和meetsバブルノスタルジー 。姉妹店「ザンギBar 衣(ころも)」もOPEN。
http://twitter.com/snack_ito

●伝統漢方からさわ薬局 困ったらここへ…心の痛みと腰痛に強い、漢方相談薬局 。
http://www.kanpo-karasawa.com

●D&C (ディーアンドシー) 女性ならではの感性を生かした、優しくやわらかい店舗デザイン。
http://www.dandc.jp/home/info

● Ca et la (サエラ) すべての女性の美肌とリラクゼーションに 。家庭的な癒しサロン。
http://www.saera-e.com/

●Plumeria Garden (プルメリア・ガーデン)隠れ家的な癒しのサロンで、疲れたカラダにご褒美を。オイルマッサージがおすすめ。
http://ameblo.jp/plumeria--garden/

●Powder (パウダー)もっときれいになる、プライベート・メイクレッスン。濃くないのに確実に美しく…!
http://www.powder.jp/

● AI KOMORI (アイ・コモリ)大人女子の個性派ウエディングリング 。モードな雰囲気がお洒落です。
http://www.aikomori.com

●kreis (クライス)とっておきのふたりに…ウェディングリングの専門店。
http://www.kreis-w.co.jp

●SILKS (シルクス)上質なペーパーアイテムで、大人婚の演出をお手伝い 。
Webは只今、工事中です。

●北海道アルバイト情報社 北海道の元気に向かう様々な活動を積極的に応援する情報社。
http://www.haj.co.jp/

●MIDORIUM DESIGN(デザイン)シンプルで素敵なデザイン、HP製作など素敵です。
http://www.midorium.com/



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