「スタイリストは華やかに見られがちですけど、9割は地味な作業の連続です」──。体力や気力、センスや瞬発力も求められるスタイリストという職業は、長続する人が少ないのだとか。佐藤一樹さんが10年続けてきた意味、そしてこれからやりたいことを語っていただきました。



●どのような経緯でスタイリストになったのですか?
「もともと僕は4年制大学に行っていて、周りが就職活動を始めた頃にスタイリストという仕事があることを知って専門学校に入りました。そこで講師をしていたのが石切山(「スプートニク」代表。札幌を拠点に活躍するスタイリスト)。入学後すぐに頼んでアシスタントにしてもらい、石切山の授業がないときは現場に入りました。とにかく覚えることが多かったので、最初の3年は記憶がありません(笑)。でもしんどいと思ったことはないですし、どんな仕事も楽しんでいます。だから長続きしているのかもしれませんね」。

●突然ですが、スタイリスト歴10年の佐藤さんから見た札幌の女性のファッションは?
「札幌は黒、グレー、白、紺といった保守的な色から売れていくんです。もちろん金銭的にも環境にも制約があるでしょう。でも女性はみんなキレイになりたいし、ファッションに興味がありますよね。だから、まずはお店で着たい洋服を見たら着てみるといいと思います。その上で似合うかどうかショップのプロにアドバイスをしてもらい、もっと似合うものがあれば勧めてもらう。着たことがない色でも、着てみると可愛かったりするんですよ。1枚でも明るい色を持っていたら、ハッピーな感じになれるのかなと思います」。

●多忙な毎日ですが、将来的にやりたいことはありますか?
「今は“もっとこうしたらステキになる”ということを、一般の人の目に触れる雑誌や広告などの媒体を通して伝えていくことができればいいなと思っています。将来的には、北海道は面白い場所がたくさんあるので映画を撮りたいですね。それからもう一つ。丁寧に作られている“モノ”の価値や意味を紹介していきたい。職人が作っているから量産はできないけれど品質が優れているなど、そういうことを紙媒体やインターネットなどでちゃんと伝えたい。いいものを長く大切に使って、それを“今”のものと合わせてもらえればと思っています」。




佐藤 一樹 Kazuki Sato
2000年にスタイリストの事務所「スプートニク」入社。現在は札幌で唯一の男性スタイリストとして、雑誌『澄空』『poroco』などのファッションぺージでスタイリングするほか、インテリアコーディネートやアーティストのスタイリングなど多種多様な現場で活躍。「僕の仕事は、カメラマン、スタイリスト、モデル、ヘアメイクなど、みんなで一つのものをつくる仕事。9割は地味な作業ですが、それを楽しみたいです」。

◇古川奈央の「今月の一言」
「値段が高いものには、それなりに意味がある。それを伝えたい」という言葉には深く頷きました。「でも、いきなりシンプルでいいものにいくのではなく、若いうちは気になるものをたくさん買って身に着けて知ることで、本当に価値あるいいものにたどり着いてほしい」という会話に。いつか佐藤さんが「丁寧に作られたいいもの」を紹介する日がくることを、心から楽しみにしています。




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