雪あかりの風景

沢山雪が積もって晴れた日の、北海道の自然光が好きです。
冬の決して強すぎない日光が、まっしろな風景の色々なところに乱反射し、
あらゆる方向に拡散されて窓の中に入ってくる、どこまでもやわらかい光。
特に暖かい屋内で、出来れば暖炉などがともっていて、
お茶など飲みながらまどろむ感じでその光の中に浸されるのがいい。


わたしの住むスウェーデンでは冬は残念ながら、
こういう光に出会える日は多くない。
雪が積もったとしても、
高緯度のスウェーデンでは冬は雪に反射するだけの十分な日光が無いから。
9時くらいにやっと太陽が出てきたと思ったら14時過ぎから暗くなり、
昼間でもいつまでも夕方のような斜光。
天気もぐずぐずとしていることが多く、
毎日薄暗くて、なんとなく身体がだるくなる…。


でもスウェーデンの人は雪に対してポジティブ。
理由は、「雪が積もると明るくなるから」。
ふつうの人でも、明るさにいちばんに注目するなんてさすが北欧の人だなぁって思います。
確かに人口光や商業的なサインからの光が多くない環境での暗い冬の日々は、
雪があるかないかで明るさの印象が全然違う。


だけど冬至を過ぎるとぐんぐん日が長くなって、
2月くらいだと、そんな私の好きな冬の光に出会える日も出てきます。
そんな日は人々はどんなに寒くても外に出て、
凍った湖の上をお散歩したりしながら、
陽の光を楽しみます。


写真はそんな時期の北極圏の街、イェリバーレから。





遠藤香織 / 照明デザイナー

スウェーデン・ストックホルム在住。
北海道室蘭市出身。北海道教育大学札幌校・芸術文化課程美術工芸コース卒。
東京にて照明デザイン事務所勤務の後、2007年にスウェーデンに渡る。
王立工科大学建築照明デザイン科・マスタープログラム修了。

現在ストックホルムにてTyrens Ljusgestaltning (照明設計部)に勤務。
ストックホルム市を中心にスウェーデン国内の主に屋外公共空間の照明設計に関わる。
http://www.tyrens.se



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