おばあちゃんち

はじめまして。
札幌で作品をつくりながら生活をしています。
僕の作品の大きなテーマのひとつは「森」を描くことです。
それはいわゆる木のいっぱいはえた「森」。

も、そうなのですが、
僕の中で森というイメージを持ったモノを
すべて森として表現しようとしています。
例えば、苔とか、涙とか、社会とか、はたまた感情とか。
小さいもの、大きいもの、見えるもの、見えないもの、なんのなかにもあるものです。

ただ、共通して取り上げている点としては
とても小さい何かが、大きいなにかをつくっていくのだ!というところです。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、僕はこれを
「偉大なちいさなモノたち」と、呼んでいます。

今回の写真は僕にとってはいつまでも大切な「森」の写真です。
それは今はもう壊されてなくなってしまったおばあちゃんちの写真です。
あ、もちろんおじいちゃんも仲良く一緒に住んでいて、
大好きでしたが、”おばあちゃんち”なんですよね(笑)。

僕は、超がつく程のおばあちゃん子です。
東京の西荻窪にあったおばあちゃんちは、
とても閑静な住宅街の中にありました。
古いお家で、庭には沢山の木や植物が生えていました。
東京という都市の中に、緑の沢山あるおばあちゃんちが好きでした。

長男に生まれた僕は、とにかくかわいがってもらい子供の頃の写真を見ても、
おばあちゃんの家でとられた写真が沢山あります。
写真を見る度、沢山の時間をココで過ごしたんだなと思います。
色々なヒトとお話をしていて、
僕は結構子供の頃を良く記憶している方だと思います。
しかも意外と小さい頃から。

そしてその思い出の中でも、
そのときの空気まで思い出した様な気持ちになれるのが
おばあちゃんちの記憶です。
それはなんだか暖かすぎて切ないものでもあります。

あたたかな黄色い光の粒が沢山入ってくる縁側。
ぽかぽかなカーペット。
どこまでも続いている、ジャングルの様に感じていた庭。
そこに住んでいる虫や植物たち。
何かがひそんでいる様な、ちいさな暗闇。
あらゆるところに刻まれた小さくて静かな家具や壁の傷跡。らくがき。

ちょっと強引かもしれませんが、
それらの記憶は僕の中でとてもあいまいな鮮明さを持って、
小さな粒をぎゅぎゅっとした様なおおきなモノなのです。

もう無くなってしまいましたが、
永遠に僕の中で生き続けてゆく、
とても大きな「森」の記憶です。

すっかり私事になってしまいましたが、
僕の制作にとってかけがえの無い、
とても大切な時間をくれた場所だったので、
この写真を選ばせていただきました。

これからもささやかな「森」を
描き続けてゆければ良いなと思います。




「展覧会情報」
●2014 .1/14 〜1/26 「ぜんぶぶぶん展」(仮)
会場:トオンカフェ 札幌市中央区南9条西3丁目21マジソンハイツ1階 Tel:011-299-6380
●2013 .12/1 〜2/28 「変辺動植彩宇宙図」(ぺんぺんどうしょくさいうちゅうず)
会場:ART BOX(企画展) JR札幌駅東コンコース・JRタワーART BOX Tel:011-209-5075 (JRタワー文化事業部)
●2013 .10/18 〜2014.1/25(予定)個展
会場:coffee stand28  札幌市白石区栄通り18丁目6-5-1 Tel:011-876-0729
●2013 .12/5 〜2014 5月頃まで(未定)個展
会場:ルタオ本店喫茶室 小樽市堺町7番16号 ルタオ本店2階 Tel:0134-31-4500






■プロフィール
森迫 暁夫 akio morisako

作家・イラストレーター
1973  長野生まれ東京育ち。 札幌在住
2009  倉敷芸術科学大学 大学院 通信制 芸術研究科修了
‘06年  北の創造者達ラブリー展/(札幌芸術の森美術館)
‘07年  ‘08年 2008 VOCA展/(上野の森美術館)
‘09年 「零のゼロ展」(グループ展)/(大分、アートプラザ)
’10年 「中庭住宅(分譲中)」(個展)/(北海道、札幌、芸術の森美術館)
'11年 「THE BEGINNING-Exhibition of Hybrid Generation」/(北海道、札幌、パルコ新館)
    「A Midsummer Night's Dream」(東京、六本木、ヒロミヨシイ六本木)
    「tobiu camp」(北海道、白老、飛生小学校)
'12年 「the GREEN LEAF Niseko Village 個展「MORINOCO」(北海道、ニセコグリーンリーフニセコヴィレッジ)
    「みんなまるとあいうえお」(北海道、札幌、ト・オン・カフェ)
'13年  「ART BOX」(企画展)/優秀賞(北海道、札幌、JRタワー)


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