今年はイタリアブームの予感。
そこで、在イタリアのファッションライターの大谷聡美さんに、今春夏の最も旬なスタイルやスポットを取材して頂きました。
新しい季節に向けてのスタイル満載のイタリアレポートのご紹介です。
●ミラノに吹き込むノルディックの風
秋冬コレクションが始まると同時に、ミラノの街は春色に染まります。
今年は淡いピンクやホワイトなど優しい色合いの一方で、透明感のある赤や黄色など原色ミックスのコーディネイトも目に付きます。
自然からインスパイアされた北欧スタイルが、ミラノファッションに吹き込んでいるようです。
●さまざまに花咲く春夏ファッション
ミラノのウィンドウには、シンプルなスタイルにマーガレットやフリージアなど花を取り入れたコーディネイトを多く見かけます。
小花を散りばめたワンピースやヴィーンテージ風デザインのスカートなどさまざまな花がモチーフとしてデザインに採用されています。
イタリアのフェミニンブランド「クリスティーナ・T」では、店内を小花でディスプレイ、花柄のヒールを使ったサンダルやワンピースなどを提案しています。
ペールピンクやベージュ、オフホワイトと優しい色合い、赤や黄色などの原色も透明感があり、全体的に温かみを感じる印象のカラーリング。
温かみのある色の印象や洗練されたデザインは、北欧スタイルを髣髴させます。実際、フィンランドの「マリメッコ」はミラノで人気のブランドです。
ミラノでは、ライフスタイルも北欧スタイルが広がっています。実際、スウェーデン発の「IKEA」や「H&M」は若者の間ではかかせないブランドとなっており、
最近では「IKEA」で販売している新鮮なサーモンなど北欧の食材が評判となっています。
最近、ミラノのスモッグ公害が深刻な問題になっており、週末に車で市内に乗り入れるのを禁止する日を設けたり、
「バイクミー」という自転車で移動する事を推奨しているミラノ市。先日のミラノコレクション時期には、
ファッション誌とタイアップした3輪自転車が登場しました。
自然と共生しスモッグとは縁遠い北欧の生活スタイルがミラネーゼの間でもステイタスとなっており、
ファッションにもその影響が表れ始めています。
●シクラメンで覆われたガレリアの中にあるグッチカフェ
●ファッション誌「アミカ」とタイアップした3輪自転車
●イタリアン・ヴォーグは超一流のフォトグラファーが
写真を担当。すごくかっこいい!
●ヴォーグ誌(上)より…ビビッドなイエローが旬
|
|
|
●原色カラーのコーディネイトに大きな花が印象的●スーパーブランドは終焉!?●愛らしいウサギの形をした花瓶と尻尾がついたカップ
●ヴァカンスが待ち遠しくなるバッグ●ラベルが可愛らしい自然素材の歯磨き粉とシャンプー●干支の始まりを説明した絵本
●心と体に優しいバイオカフェ「Bottegas/ボッテガス」
最近、おしゃれなお店やレストランが増えているポルタ・ロマーナの一角にすべて有機栽培の食材を使ったカフェがオープンしました。
朝の定番カプチーノにブリオッシュ、ランチもラザニアなど新鮮な食材を使ったイタリアンメニューが揃っています。
隣には無農薬野菜やパスタ、ワインなどの食材から自然素材を使った化粧品や衣料のお店が併設されており、
ミラノのエコロジスタから注目されつつあります。
(Via Colletta 31, ang.via Friuli 20135 Milano)
●小さな路地の一角にあるボッテガス
●家庭的な雰囲気のトラットリア
「La Bettola di Piero/ラ・ベットラ・ディ・ピエロ」
“ピエロさんの大衆食堂”という意味を持つこのお店は、20年以上も続く家族経営のレストラン。
いつも常連客で賑わっており、お昼は予約をしないと入れないほどの人気。
その人気の秘訣は家庭的なイタリアン料理を手頃な値段で食べられる事。
何種類かあるプリモ(パスタかリゾット)、セコンド(魚や肉のメイン)をそれぞれ選び飲み物(水かワイン)、
カフェがついて13ユーロ。手作りデザートはどれを選んでも1ユーロ。
最近、ミラノでは10ユーロ前後のランチセットメニューのお店が増えています。
(Via Orti 17, 20122 Milano)
●アレッサンドロ、モニカ親子と従業員のエミリア
●うずらの照り焼きとリゾット

|
大谷聡美/ジャーナリスト
2002年にイタリアに渡る。
フリーのジャーナリストとして足元(靴)からファッションを見る視点で靴・バッグ専門誌やファッション紙に執筆。
コーディネイター、日本語教師として活動の幅を広げている。ミラノ在住。
|
|
|
|
|