*** 男子会参加者 ***
タケチャスレコーズ井上武志さん、
古本トロニカの広川啓規さん、
ビーバーズブックスの池田一博さん。
札幌でオリジナリティあふれる
CDやレコード、本を提供している3人です。
2012年“俺ブーム”は
不便なものがくれる特別な時間
井上
僕は小学校の時からずっとレコードや古本が好きで、それからずっと好きなものは変わらないんですよ。 そうそう、欧米は原点回帰で、今レコードブーム。トップアーティストのこだわりや、レコードストア・デイっていうムーヴメントなどもあって、 アナログのリリース量や売上がダウンロードに肉薄し始めてる。20〜30代の人々がノスタルジーなしにアナログ媒体の良さに惹かれているんです。 時と場合によっては、電子化なんかの進歩そのものが便利で享受すべきものとは限らないということでもあるよね。
広川
僕は、東京や大阪でブームのリトルプレスやZINEを、札幌でも作り出す人が増えるんじゃないかと思ってます。 自分が好きなものをとことん突き詰めたコアな感じが魅力。 アーティストが自分で作ってライブ会場で売るっていう流れも面白い。活動の原点ですよね。
井上
レコードもリトルプレスもそうだけど、進歩することがすべてじゃないっていうことに気付き始めていますよね。
池田
重たい写真集も、本当は手で持って眺めるよりデータで見た方が楽。 でもあえて不便な扱いをすることによって、特別な時間を過ごせるっていうか…。 大きな写真集やレコードが部屋にあることで、特別感を感じられるんですよね。
井上
あとね、今まで以上にサラッと男子がケーキ屋さんに行くようになると思う(笑)
池田
自分の好きなものが、世代とか性別に左右されなくなるような気はするね。
広川
これまでのブームは広告代理店なんかが仕掛けてきたけど、今はそれぞれが自分のブームを持っててこだわりがあって細分化してるから 「TVをきっかけにみんなが一斉にブームにはまる」っていうのは難しくなってるでしょうね。
池田
僕等が「好きなもの」の選択肢を作っていけたらいいね。
井上
男でもケーキが好きになるブームって言っただけなんだけど(笑)
3人で作ったフリーペーパー
「BOOK BEAT BOUTIQUE」
井上
手作りの媒体で「コレもいいから読んだり聴いたりしてみては?」 っていう穏やかなオススメをしたいっていう思いで作ったんですよ。 何でもジャンルが細分化されて「何を聴いたらいいのかわからない」という声へのささやかな一助になればと。 話が出たのが去年の4月で、出たのが12月。作るのは大変だね。
池田
自分が作ることで、表現している人をリスペクトするよね。
広川
それに、ネットでレビューを書いても形に残らないけれど、フリーペーパーという紙にすることによって作品が残る。 そしてこれを手に入れるために店に行ったり、どこにあるかを調べたり。 そういう一手間をかけることで自分の中に残るんですよね。 例えば音楽をダウンロードしても、いつそれをしたのかは思い出せない。
井上
ただのデータになっちゃうんだよね。
広川
でもレコードで買うと、どこの店でいくら出して買って、その後どこに食事に行ったとか、 繋がって思い出になることが多いんですよ。 それと同じように、フリーペーパーにすることで情報が増えていくんですよね。
井上
あとは有名無名に関わらず、 札幌にこういうことを肩肘張らずにやってる人がいるっていうことを知ってくれたら嬉しいなと。
池田
僕らの好きな本や音楽のレビューです。本やレコードの持つ魅力が少しでも伝わると嬉しいですね。
Fil読者にオススメしたい、
悩みに悩んで選んだ3作品
【タケチャスレコーズ】
1/内海利勝&シマロンズ『gemini part.1』(LP)
元キャロルのギタリスト・内海利勝がジャマイカのリズム・レゲエの旗手シマロンズをバックに作り上げたジャパニーズ・アーリー・レゲエ大名盤。
2/Leslie Uggams『a time to love』(LP)
ショウビズ&スウィンギンなアレンジも光る天才ヴォーカリストが残したATLANTIC発ポップ・ソウル集。
3/Gilles Rivard『en couleurs』(LP)
42歳という若さで夭折することとなる伝説のフレンチ・カナディアン・シンガー・ソングライターによる捨て曲無しのAOR。
【古本トロニカ】
4/「FLAT HOUSE style」(リトルプレス)
米軍ハウス、文化住宅、古民家など古い平屋の魅力を1号につき1軒紹介する雑誌。その家に遊びに行ったような気持ちになります。
5/「こけし時代」(リトルプレス)
沼田元氣責任編集。こけしの旅と温泉に、喫茶店や土産物などノスタルジックな写真が満載。3号はオリジナルこけし手ぬぐい付き。
6/「おもしろ絵本シリーズ」(リトルプレス)
大阪のイラストレーターmakomoさんによる、オリジナルを無視したストーリー展開が面白い脱力系絵本(全9種類)。
【ビーバーズブックス】
7/サノトモミ「ミッドナイト・エクスプローラー」(CD)
「透明感のあるヴォーカルが魅力のサノトモミさんによるシティポップアルバム。大貫妙子「都会」や荒井由美「きっと言える」カヴァーも。
8/「悪魔のりんご」(舟崎克彦;作 宇野亜喜良:絵/小学館)
荒野をさまよう年老いた悪魔とジプシーの少女。少女の純真さや優しさによって悪魔が変わっていく。第13回日本絵本賞受賞作。
9/「ARCHIVE ONE」(DAVID BAILEY/THAMES & HUDSON)
スウィンギン・ロンドンを代表する写真家デヴィッド・ベイリーの60年代作品を網羅した写真集。 彼のミューズであるジーン・シュリンプトン、ストーンズやビートルズなどのポートレイトほか。
フリーペーパー「Book Beat Butique」 配布店
< Sapporo >
■SYMBIOSISビル(FORTUNA・AI KOMORI)
http://fortuna.frenchkiss.jp/
http://aikomori.com/
■THE WORLD BOOK & CAFE
http://www.world-spirallife.com/
■ミンガスコーヒー/MINGUS COFFEE
http://www.sapporolife.com/shopdetail.asp?cate=3&subc=15&id=168
■Zazi[ザジ]
http://www.sapporolife.com/shopdetail.asp?cate=3&subc=15&id=169
■詩とパンと珈琲の店モンクール
http://r.tabelog.com/hokkaido/A0101/A010102/1025918/
■FABcafe (ファブカフェ)
http://r.tabelog.com/hokkaido/A0101/A010102/1002043/
■FAbULOUS
http://www.rounduptrading.com/
■和酒場 うつけ
http://utsuke.com/top.html
■寿珈琲
http://kotobuki-coffee.com/
■JAY'S CAFE [ジェイズ・カフェ]
http://www.sapporolife.com/shopdetail.asp?cate=8&subc=47&id=74
■Jim Crow
http://jimcrow.jp/top.htm
■WITH BAR
http://bartoietmoi.jugem.jp/?pid=1
■dining bar Toi et Moi
http://www.withbar.com/index1.html
■riva(リーヴァ)
http://www.sapporolife.com/shopdetail.asp?cate=3&subc=15&id=62
■キングコング札幌店
http://ameblo.jp/kingkongsapporo/
■weird-meddle record
http://d.hatena.ne.jp/meddle/
< Tokyo >
■Organ Bar
http://www.organ-b.net/
■Bar music
http://www.musicaanossa.com/bar_music/
■Roman Records Cafe
http://romanrecordscafe.p1.bindsite.jp/
●タケチャスレコーズ
http://takechas.com/
●古本トロニカ
札幌市中央区南1条西13丁目317-2三誠ビル2F
TEL.011-596-0909
http://tronikabooks.blog31.fc2.com/
●ビーバーズブックス
札幌市中央区北7条西14丁目28-23朝日プラザ北7条B棟1F
TEL.011-221-6568
http://bvsbooks.com/
タケチャスレコード関連イベントがあります。詳しくは
こちら
古川奈央(フリーライター)
今回は男子会ということで、お酒を持ち寄りSYMBIOSISに集合! もっともっと真面目でいい事もみなさんお話ししているのですが、 お三方の魅力を伝えるためちょっと遊ばせていただきました。 彼らの魅力は、お店で、イベントで、直接感じてくださいね。
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