旅にぃ〜♪ 出ないかぁ〜♪ ひとりぃ〜♪ ぽっち〜でぇ〜♪

こんにちは。元OL、今やアジアの流れ者みたいになってるカワタです。 日本にはかれこれ1年半ほど帰ってないのですが、最近はどんな感じですかね?みんな元気でやってる?私もそろそろ帰省したい。 塩辛食べたい。海外輸送費を含まない値段で本買いたい。自転車で整備の行き届いた道路を走りたい!でも、せいぜい2週間でいいや。なぜって、

日本に帰ると気分が暗くなるから。

テレビから聞こえてくる悪いニュース。テレビ欄に散在する鬱の文字。今仕事があっても、 明日食べるものはあっても、10年後のことを考えて不安になる。すでに色んなものを手に入れてるからこそ、失うのが怖いのだ。頭からバカッ花を咲かせてる私も、次第に周りのネガティブに浸食されてくる。ため息が出始める。そして思う。

つくづく心配するのが好きだよなぁ。

いじめで悩んでる子供がいたらこう言うだろう。「いいかい、今君が見ている世界は、実はとっても小さい世界なんだ。 いつか大人になれば、今の悩みなんてちっぽけだったってことがわかるよ。今はまだわからないかもしれないけど、わかる日は必ず来る。」

私は今、大人たちに言いたい。「いいかい、今君が見ている世界は、実はとっても小さい世界なんだ。 外に出れば、いかに既存の価値観に縛られて自分を苦しめていたかがわかるよ。今はまだわからないかもしれないけど、わかる日は必ず来る。」

脱・ネガティブ! 大人よ、今こそ一人で旅に出ろ!



一人旅のメリット

1/自分の都合に合わせて休みを取り、滞在できる。
2/相手の興味に合わせて歩かなくていい。
3/風景・音・匂いなどに対する感度が上がる。
4/地元の人とコミュニケーションを取る機会が増える。
5/後々ネタになることに出合える。
6/素敵な出会いに身を任せられる。

1→説明不要。
2→おしゃべりが楽しい友達=旅行の相性が良いとは限らない。 買物好きな人と海辺でのんびりしたい人のペアだったりすると、片っぽに甚大なストレスが溜まる。 じゃ、お互いにいいところで妥協して…って、海外に出てまでしがらむ必要あるの?
3→おしゃべりしながら街の様子に注意を払えるほど人間は万能ではない。とは言え、無言のまま歩くのも悪い気がする。 結果、 見たものをそのまま口して、相手も義理で相槌を打つ。しつこいけど、海外に出てまでしがらむ必要あるの?
4→一人でいるということは、世界に向かって自分を開くと言うこと。道を尋ねたり居合わせたお客さんに助けてもらったり、 地元の人とコミュニケーションを取る機会は自然と多くなる。しかし二人だと大抵の問題は解決できるうえ、レアな言語(日本語)を話すタッグには、周りだって声をかけづらい。
5→ネタというのは、つまり困ったことである。試しに過去の旅を思い出してみよう。忘れられない思い出には必ず困ったこと、 あるいは困ったがゆえに生まれた出会いが含まれているはずだ。仕事はなるべく計画通りに進んで欲しいが、 旅はむしろ計画通りに進まないことを楽しむくらいがちょうどいい。
6→「実は昨日、素敵な人と出会って、今日は二人で遊びに行こうって話に…ゴメン」。 即行友情にヒビが入りそうなこんな話も、一人なら気の向くまま、情熱の赴くまま。出会えたら、の話ですが。


極私的おすすめの一人旅

1/台湾人の底なしの親切に学ぶ

 (中国大陸以外の)旅行者が大好きで、何故か日本を「欠点の見当たらない理想の国家」だと思っている世界一の親日国。 家族と友人を大切にしていて、平均所得は日本の半分以下だけど、人に手を貸したり奢ったり物をあげたりするのが大好き。当然貯金も少ないけれど、老後のこととかはあんまり心配してなさそう。 日本のファッション雑誌を参考に、地元の店で似たような安い服を見つけて賢く買物。当然、「それ○○のバッグじゃない?」みたいな競争もない。 かたや名の知れたアパレルメーカーか、さもなくば無印かユニクロじゃないと買物できない私。備えは作れど憂いは募る一方で、何かあったらと思うとおいそれと奢っていられないし、 自分のことで頭がいっぱいだから人助けまで頭が回らない。結果、奢られたり物を貰ったり助けてもらうのはいつも私。日本人の習慣として借りは一つひとつ返したいが、とても返しきれねぇ…! でも、だんだんわかってきた。善意を受け取ったら、心を込めてありがとうと言えばいい。相手の方が経済的に余裕があるなら、お金以外のことで何をしてあげられるかを考える。 あるいは、受けた善意を他の誰かにお返ししてもいい。そうするうちに、日本では「迷惑をかける/かけられる」と表現していた互いに助けるという行為が、自然に思えてくる。 人との距離が近くなる。そしていつしか漠然とした将来への不安が消える。「良い仲間がいれば何とかなるかも」、そう思えるようになる。 さらに台湾は治安が良く、漢字で筆談できるので(日本人の特権!ざまーみろ英語スピーカー!)初めての一人旅にはうってつけ。 私は一度目の旅で男性に車で茶器の街へ連れて行ってもらい、二度目の旅でおばちゃんに鍋をごちそうになりました。謝謝、台湾人!


2/タイで象キャンプに参加する

かろうじて電気が通ってるような小さな村にある、象のキャンプに滞在。起床→象小屋の掃除とエサやり→朝食→ 象に乗って山へ→昼食→キャンプに戻る→シャワーと洗濯→夕食→みんなでカードゲーム→就寝という、「頭使わず体を使え」の規則正しい生活のおかげで、夜は爆睡、 朝はスッキリ起床、三度の食事もむちゃくちゃおいしくなる。心と体にみるみるみなぎるパワー!「健康上特に問題がない身体」から「すこぶる健康な身体」への脱皮である。 基本的に象使いたちは太陽が出てる間しか働かない。最新鋭の設備なんてあるわけないから、ひたすら体を使い、その日にできる分だけの作業を黙々とこなす。 彼らの多くは首都バンコクに行ったことがなく、村で生まれ、育ち、働き、近隣の村人と結婚して子供を産む。シンプルだからこそ迷いもなく、 自分の生活に満足している。悪くないな、こういう生活。何かあったら象使いに嫁ごう。本気でそう思った。 でもおかしいな。人間って本来こういう生活を送ってたんじゃなかった?もしかして私たち、より快適な生活を手に入れるために技術を発展させたつもりが、 反対に自分たちを追いつめてきたんじゃね?電話で「いやー留守にしててさ」はもはや通用しない。スマートフォンの登場で「メール見るのが遅れました」も早晩言えなくなるだろう。 文明の利器を使えば何だって解決できるという幻想、効率は限りなく向上できるという妄想。結果、一人が抱える仕事とストレスが増加して鬱が増えたんじゃね?間違ってる。 どの地点から間違ったのかわからないけど、とにかく致命的に間違ってると思った。象を目当てに参加して、金こそすべての資本主義に懐疑的になって帰って来たという、人生の転機点となった旅。




旅の手配
【台湾】

●飛行機
最低でも3泊4日以上で。飛行機のチケットは「格安航空券」で検索すればたくさん出てくる。 滞在日数によっては航空会社のサイトで実施してるキャンペーンを利用した方が安い。宿&チケットのツアーを購入してもいいが、宿を選べないのがちょっと残念。

★H.I.S 
http://www.his-j.com
★エバー航空(北海道から直行便あり) 
http://www.evaair.com/html/b2c/japanese/

●宿
宿のサイトで詳細を見てからメールで予約する。メールは英語でOK。一人旅ならドミトリータイプも楽しい。 日本人が勧める宿は清潔で日本語が通じるところが多く、平均して高い。もっと多くの選択肢から選びたいなら「トリップアドバイザー」で探そう。 ホテルだけじゃなくB&Bやインの情報もある。

★ホテル予約の英文Eメール例文サンプル集
http://www.eigo-samples.com/hotel-booking/index.html
★トリップアドバイザー(日本語)
http://www.tripadvisor.jp/

【タイ・象キャンプ】

●象キャンプ
上記のトリップアドバイザーに「Thailand Elephant」と入力して、「観光名所」で検索するとたくさん出て来る。人気の高いキャンプはすぐにいっぱいになるので早めの予約が必要。 予約は英文メールで。チェンマイの宿からキャンプまでは車で送迎してくれるところが多い。 私が参加したのは「Thai Elephant Home」の7日間コース20,500バーツ(約53,000円)。 トリップアドバイザーに「日本語のガイドが付いてくれる」とあるが、そんなのいなかった。

★Thai Elephant Home
http://www.thaielephanthome.com/

●飛行機
北部チェンマイまで直行便がある。成田発でH.I.S往復19,800円(税別)。 バンコクからは列車、バス、飛行機があるが、バスで約10時間、列車だとそれ以上かかる。

●宿
トリップアドバイザーにて「Chiang Mai, Thailand」で検索する。

※文中の金額およびレートは5月20日現在のものです。




川田美沙(フリーライター)

北海道出身。2006年に12年間の会社員生活を捨て単身マカオへ渡る。現地ガイド、自費出版、ガイドブックのライターを経験し、現在は台湾にて中国語を勉強中。 未婚で就活中だけど多分何とかなると信じてる能天気なアラフォー。帰省の際に必ず食べるのは佐藤水産の鮭ルイベと塩辛、パリ16区のチーズケーキ。


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2011.3 2011.4 2011.5 2011.6 2011.7 2011.8 2011.9 2011.10 2011.11 2011.12 2012.1 2012.2 2012.3 2012.4


台湾名物スクーターの群れ。台湾が好きで語学留学前にも4回来てる。写真はすべて2度目の旅行のもの


「MRTで端まで行ってみよう」と淡水へ。こういう気ままさも一人旅ならでは


台北動物園。写真は川辺でいい感じになってる二人


旅行中に一番通ったのがバイキング方式の「自助餐」。安い!


タイにて。象の上に登るのにも練習が必要。後半は一人で乗り降りできた


見よ、この眺め!象キャンプはタイの美しい山の中にある


象は泳ぎが上手で水が大好き。川で遊ぶ象を見てる時が一番幸せ


ゲスト専用のコテージ。中は思ってたよりずっと清潔できれい


時には自然の物を利用した料理も作ってくれた。写真は竹の葉の小舟で作るオムレツ

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