2002年に札幌の片隅で小さな奇声(産声)をあげた「シークレット歌劇團0931」。
本家「タカ●ヅカ歌劇団」の見事なパロディっぷりと、ちまたの有識者達もハマル「独自の演出」。
派手な宣伝は一切せずとも、話題が話題を呼び、今やチケットは全公演完売状態の人気ぶり。
あなたは、札幌サブカルチャーのトップに君臨する「シークレット歌劇團0931」を知っていますか?
当劇団夢組トップの銀河祐《ぎんが・ゆう》と、紅雅みすず《こうが・みすず》が、勝手に語ります。
(以下、銀河:銀、紅雅:紅)
シークレット歌劇團0931の「0931」とは?
【紅】ところで、銀河
【銀】なんだ?紅雅
【紅】今さら何だが、シークレット歌劇團0931、の「0931」とはどういう意味なのだ?
【銀】ぬはっ!そなた、そんな事も知らずにこの10年過ごして来たというのか・・・
【紅】世の中にはもはや確かめることすらハバカル文言というのがあるだろう?
【銀】たとえば?
【紅】取り付く「暇」もないのか、取り付く「島」もないのか、暇なのか島なのかどっちなんだろう?的なやつだ
【銀】島だ
【紅】だから、それは例えばの話で・・・島だったのかあああああああ!
【銀】0931は「おーくさい」、だ
【紅】おーくさい・・・?くさいって、臭い?
【銀】そうだ。「おお!臭?い(0931)」と見たものが叫びたくなる人々の心の声を先取りしているのだ
【紅】そうか!ひときわ臭?い歌い方や演技を敢えてする我々のことを指しているのだな・・・
【銀】いかにも。我々も稽古の段階で“それは普通の言い回しだ!”とダメ出しされる始末だ
【紅】その独特の世界を10年も続けてきた我々も相当イカレているな・・・
何故か、おかげさまで10周年
【銀】しかしまあ、気付いたら10年か。10周年というよりは「10執念」だ!はははははは(高笑い)
【紅】我々も歳を取るはずだな。台詞を覚えるのが大変だ
【銀】アキレス腱も大事にするようになったな
【紅】あれはやばいぞ。伸ばさないと大変な事になるぞ
【銀】そうそう、肩もな。年々上がりづらくなる。
【紅】銀河、昨年の稽古中、肩を脱臼したことがあったな
【銀】ああ。軽くショックだった・・・。(片肘を着きながら落胆)
【紅】「日音歌謡ホール」でコレを始めた頃は我々も健康だった
【銀】そしてメンバーは私と紅雅の二人だけだった
【紅】1回きりというつもりだったが、意外にも好評で何度か回を重ねるうちに、二人だけで芝居パートをやるには物語りが広がらず、作・演出の愛海夏子(いとうみ・なつこ)も頭を抱えていた
【銀】そして秘密裏にオーディションが行われたのだ・・・
【紅】場所は忘れもしない「ドッグカフェ」の窓際の席だったなあ
【銀】「娘役としてどうだろうか」と友人の紹介で私たちの前に現れた一人のちんちくりんな女子
【紅】我々の目力に怯えてはいたが、かもし出す腹黒さは天下一品だった
【銀】舞台の経験はがあるとの事だったので、聞いてみた「今までやった役を教えてくれ」と
【紅】彼女はひとことだけ発した・・・「リアルなうんこ役です」と
【銀】あの瞬間、即決だったな
【紅】ああ即決だった。間違いないのがここにやってきた、そんな女優だった
【銀】娘役、0931万年新人「音羽美雨(おとは・みう)」の誕生だ!(ぎろり!目力!)
【紅】3人になって芝居のストーリーに幅が出て、我々の舞台を観に来る平民達(注:観客のこと)が更に増えたが、何かが足りない、そう感じていた
【銀】我々は決して美しすぎてはならぬ!そして上手すぎてもならぬ!しかしながらその頃の我々は美しかった・・・
【紅】それはどうかしらんが、なんかこう「うわあ?キモイ!」と引かれるくらいのニオイを放つ何かが欠けている感じがしていた
【銀】その要求に応えすぎていて腹立たしい奴が仲間入りしたのは言うまでもない
【紅】0931ジュニアのあいざわの入団は衝撃的であった!!
【銀】あいつ、あれからずっと「トップ」の座を狙っているらしい
【紅】ぬはっ!なんだって!?カタハラ痛いわ
【銀】なんだって普段はめちゃくちゃ忙しい仕事をしているくせに、絶対に舞台に立とうとする根性がわからぬ
【紅】理解不能のやる気に吐き気がするわ!しかも、本番ではほとんどノーミス
【銀】だが一度、芝居冒頭の台詞があいざわで、思い切り噛んで修復不可能だった時があったが、あの公演日に自分の仕事関係の平民達が大挙して客席にいたらしく、「かっこよく」やろうとどこかで欲を出した為にああなった・・・
【紅】やめろ!そういう話を聞くだけであいざわを殴りたくなるではないか!どうやったって、格好良くなぞなれぬわ!
【銀】紅雅、今年の台本を読んであいつ、なんと言ったと思う?「今年はあいざわ元年になりますね」とノタマッタんだぞ!
【紅】・・・・・・・(怒)
【銀】イライラするから、重珍さんの話に移ろうか?
【紅】そうだな、ほっこりしたい。無性にほっこりしたい
【銀】重珍ノエルさんはいわゆる「0931専科」だ。彼女は女優暦も長く、存在感もバツグンだ。トップとはまた別の味わいをかもし出している所がベテラン、という風情だな
【紅】ああ。あの風合いは重珍さんにしか醸し出せぬものだ
【銀】オンリーワン
【紅】まさにオンリーワン
【銀】故に専科!(専科の意味がわからない方は検索してください)
【紅】そういえば今年の秋、重珍さんはアメリカ人の監督の短編映画の主演をつとめた事をご存知か?銀河
【銀】ああ、噂には耳にしていたが、それは誠か?
【紅】いかにも。そしてその作品は今海外で公開されているらしい
【銀】海外デビューではないか!我々を差し置いて!軽く憤慨だ!
【紅】しかも重珍さん、0931の舞台を見た札幌ショートショート映画祭のプロデューサーが、まず声を掛けてきたはずなのに、出演の際は「重珍ノエル」ではなく「ムネカタなんちゃら」という本名で臨んだらしいぞ、それに関して私は納得がいっていない
【銀】さすが「専科:重珍ノエル」したたかな女だな。悪くない
【紅】私はシークレット歌劇團0931の名を背負って世界に出て欲しかった!
【銀】・・・・うん、だが重珍さんの気持ちもわからんでもない。紅雅、もしもそなたにそんなオファーがあったら「シークレット歌劇團0931夢組トップ:紅雅みすず」で出るか?
【紅】いや、本名で!
【銀】私も、本名で!
12月の10執念(周年)の舞台、そして「0931」の未来
【紅】稽古場も整い、今年度の舞台の稽古も始っているが、愛海さん、今回も台本の内容大サービス過ぎると思わないか?
【銀】まさに、出し切って来年の舞台、それで書けるんですか?と聞いてみたい
【紅】いや、あの夫人は毎年言ってるらしいぞ。「ああ、もうこれで書けない」「ああ、もう出し切ったから、何も出ない」「私、脚本家の骨皮筋子状態!」
【銀】そんなつまらない表現に走ってしまっているとは・・・
【紅】そんなつまらない事を毎年言いつつも「神が降りる」らしい
【銀】益々怪しい。敬遠したいタイプだ。
【紅】延々悩み、ある日どばばばばっとパソコンに向かって打ち狂い、完成させているらしい
【銀】ある意味、あんなクダラナイ脚本を書けるのだから天才だな
【紅】うむ。天才だ。天才が書いて、天才が演じる、天才の舞台だ!
【銀】嫌いではないぞ、自画自賛。言い続けていればいつか真実にすり替わる。狙い通りになっているではないか!
【紅】まあな、この舞台に望んで関わっている勘違いスタッフも相当天才だからな
【銀】照明の上村は札幌の舞台関係者の間では有名な「カリスマライティングコーディネーター」だ
【紅】そして、音響の梶野は世界を股にかける「ワールドサウンドコーディネーター」だ
【銀】舞台装置、大道具、小道具は石屋チョコレートファクトリーのウィンドーディスプレイなどで活躍の「孤高の立体芸術家:吉住」だし
【紅】公演中、舞台裏の仕切りをする舞台監督・雨夜は「どさんこ・アタヤン活躍中ザビエル座の貴公子」だからな
【銀】そして今年、新たに「音のオートクチュール」とのたまうアレンジャー畑中が手をあげてきた!
【紅】簡単に紹介すると、イッセイミヤケ氏のファッションショーの音楽を担当したり、東京スカイツリーのオープニングセレモニーの音楽を担当したり・・・
【銀】ちょ、ちょっと待て!・・・大丈夫か?そんなの仲間に引き入れて・・・・
【紅】大丈夫だ。昨年の舞台、めちゃめちゃ前の席でビデオ撮りながらクールにキメていたが相当ツボにはまったらしい
【銀】そうかそうか。で、作品の肝になる部分の音楽を担当することに相成ったわけだな
【紅】銀河、作品て言うな、あんな舞台を。まだ我々を知らぬ平民どもが勘違いをしてしまうではないか!
【銀】かたじけない!・・・しかし、こんな素晴らしい面々で作り出す「あんな舞台」、これは観るしかないだろう
【紅】そうだ、ここまで読み続けてしまったお前!知った気になるなよ!すべてが想像以上なんだからな!
【銀】まあ、落ち着け紅雅。どっちにしろ完売だ
【紅】そうだな。そんなに来たければ、いますぐチケットぴあへ走るがいい!!
【銀】いや、ネット(チケットぴあHPに掲載中)でも買える
【紅】・・・・あ
【銀】では最後になるが我々の未来予想図をここで少し話しておこう
【紅】おいおい、言ってしまうのか?
【銀】ああ、はっきりさせておいた方がいいだろう
【紅】そうだな・・・・。我々は近い将来・・・
【銀】フランスの「ジャパン・エキスポ」から招待を受け、仏デビューを飾ることになる・・・
【紅】断言するな!!平民が誤解するではないか!
【銀】言ったもん勝ちだ!!紅雅、エッフェル塔で待ち合わせだ!
【紅】あ、ああ!そうだな!エッフェル塔で待ち合わせだ!
夢組トップのしょうもない会話はまだまだ続く・・・
シークレット歌劇團0931平成24年度公演
「響奏の薔薇?その翌日に極上の宴を?」
作・演出/愛海夏子
出演/銀河祐、紅雅みすず、音羽美雨、あいざわ、重珍ノエル
●日時/12月22日(土)の(1)14:00、(2)20:00、
12月23日(日)の(3)13:00、(4)18:00、全4回公演
※開場は開演の30分前になります。
●場所/扇谷記念スタジオ シアターZOO
札幌市中央区南11条西1丁目ファミール中島公園B1F
TEL/011-551-0909
●料金/3,500円(全席自由)※未就学児童入場不可
●チケット取り扱い/チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:424-684)、
セブンーイレブン、サークルK・サンクス、コーチャンフォー、チケットぴあ店舗
●問い合わせ/rose_0931@hotmail.co.jp(0931制作部)
公演前日・当日のお問い合わせは劇場へ(011-551-0909)
http://www.sozo-art.com/0931_j.html
★Special Back Number
2011.3
2011.4
2011.5
2011.6
2011.7
2011.8
2011.9
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2011.11
2011.12
2012.1
2012.2
2012.3
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2012.5
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2012.10
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劇団夢組トップの銀河祐(左)と、紅雅みすず(右)
毎回洗練され変化してゆく衣装とカツラの色
ピンクの巻き髪は記憶に残る衝撃さ
夢組新人・音羽美雨
0931ジュニア・あいざわ
0931専科・重珍ノエル
第二回単独公演『嘘と真実の薔薇』のワンシーンより
第六回単独公演『薔薇の溜息〜朽ち堕ちてもなお〜』のワンシーンより
なんという表情!
ま、まさか…そ、そんな…!
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